今年4月1日に施行された社会福祉法の一部改正と経営管理について
徳島県阿南市での講演より
平成29年11月10日
笹山 周作
生れてはじめて徳島県にそして阿南市にきました。今回は1時間半あまりをかけて社会福祉法の改正と経営管理についてお話しさせて頂きたいと思います。いつも私は好き勝手な講演をするので二度と講演に呼んでもらえません。何故かといいますと本音の所を言いたい放題に話し、そして来て頂いている方の問題点をずばり言います。そういう性格をしていますので腹がたつこともあると思いますがお許しいただき後ほど質問していただければと思います。
最初に法人の説明をさせて頂きたいと思います。ホームページにあげているものから抜粋しています。姫路市と神戸市東灘区魚崎に社会福祉法人として8施設。株式会社で8施設の合計16施設を現在経営しています。来年の4月に姫路市西庄にサンライフ西庄として地域密着型特養とショートステイとグループホームを併設した5階建ての建物が建ちますが現在人材確保で苦しんでいます。姫路駅から北西部を中心に施設を展開しています。神戸の東灘区にサンライフ魚崎が阪神電鉄の魚崎駅の北側に2施設あります。JR住吉駅、阪神魚崎駅の近くに位置しています。
今から21年前の平成8年10月1日に特養サンライフ御立からスタートしました。それまで介護の仕事はしたことがありません。父の死後24年前に介護関係をしたいと思いました。それまでは繊維関係の仕事をしていましたが繊維関係の仕事は中国に移っていくだろうと思い、姫路の田舎でできることは何かと考えたのが特養です。団塊の世代が後20年30年すると高齢化になり介護が必要になる。介護の中で一番中心にあるのは何かと申しますと特養です。たつの市新宮町という私が生まれた所の役所に行ったら新宮はいっぱいということで姫路市で許認可を頂いたのが始まりです。いつも20年先を見据えてと言うのが私の考え方です。長期で考えないと短期では誰でも考えられますが、長期で考え、目先の利益を追わないという考え方で進んでいます。これから20年先は今までの20年に比べたら大変難しい状況がきます。過去20年と将来の20年は全く違ってくると思います。3ページ目の絵を見て頂いて、社会福祉法人ささゆり会というのが神戸に2施設と姫路に6施設、4月で姫路は7施設になります。株式会社を介護保険ができた時と同時に立ち上げています。お金の行き来は社福と株式会社の間で1円たりともありません。ここで大事なのは公私混同を絶対しないという強い意志が大事です。法律違反も絶対しない。お金がほしければ株式会社でもうければいい。基本的な考え方は、社会福祉法人はどこまでいっても公共的なのものであり、個人のものではありません。基本的な考え方が大切です。社会福祉法人と株式会社を作ったのはそういうことです。介護保険が出来たと同時に株式会社を作りました。社会福祉法人を父親と母親の相続財産で作りました。相続財産を拠出してサンライフ御立を作りました。決算書の貸借対照表をみて頂ければ解ります。
社会福祉法の改正について24ページを開いて頂けますでしょうか。社会福祉法の改正を何故国がしたのか、真ん中あたりの2011年7月7日に日本経済新聞に掲載されたキヤノングローバル戦略研究所の松山幸弘氏に端を発しています。この時になぜ全国老施協や全国経営協は大きな声を出さなかったのか。これが社会福祉法の改正に繋がっています。この時にきちんと反論しておかなければ、これをなぜ反論しなかったのかが問題です。新聞紙上に反論を掲載しなければいけなかった。会計のいろはも解らないような人をどうして放っておくのか。私が読んでもおかしいと思いました。これが社会福祉法の改正に繋がっていき社会福祉充実残高が残ったら地域貢献に使いなさいという話です。私から言わせてもらえば一生懸命職員と共に働いて残ったお金をとやかく言われる筋合いはない、汗水たらして働いて残ったお金をこれに使いなさいと法律で決めるのはおかしい。もしお金がたくさん残るというのであれば介護報酬を下げればいい。一生懸命働いて貯まったお金を役所や国がこれに使ってくださいと頼みにくるのが筋です。そうでないと何のために一生懸命働いてお金を残しているのか、次の施設に投資する、地域貢献する、給料をあげていくそれは理事会で決めて行けばいいのになぜ法律で決めてしまうのか。株式会社の留保金や会社が貯めているお金に法人税でもう一度税金をかけるのであれば法律で決めればいい。株式会社の二重課税ができますか。これも理屈からいうと同じで社会福祉法の改正というのは、一つは社会福祉充実残高をどう使うかという話を国が法律で決めてきたこと、もう一つは、理事とか評議員の関係をきっちりしてガバナンスを持たせたということです。ガバナンスの話をしても東芝や神戸製鋼はどうですか。東芝は民間企業でガバナンスが一番よいと言われていました。理事の選任や評議員の選任、兼任したら駄目とか親族を入れたら駄目とかいろんな規則を作っても私からすれば以前と何ら変わりません。理事会の機能がきちんとできているかというのは、そこにいる理事長や理事、監事、経営者の姿勢の話です。理事、評議員等の人間性の話です。理事会が成り立っていない、「なあなあ」ですんでいるのはそこにいる人達の姿勢であり、システムを変えても上手くいきません。そこにいる人間は変わりませんので、今年の3月の末と6月に社会福祉法の改正で役員の構成について何か変わりましたか。理事と評議員が変わったくらいでしょう。国はシステムを変えても経営者の経営に対する姿勢の所をきっちりしていくことが大切だと思います。
理事、監事と評議員に法人の第三者に対する損害賠償責任について、これは、国は万が一横領やなにか不祥事があった時に役員に損害賠償を取らせようとしています。そういう考え方を持っています。今現在就任している理事さんや監事さんに細かい所まで説明したら安い日当や給料では誰も就任しません。全員に損害賠償責任保険をかけないといけません。国としてはその人たちにも責任を取ってくださいという考え方なので役員になってもらう方にはそれなりの報酬を支給して行かなければというのが私の考えです。私も他の社会福祉法人の理事や評議員をしていますが、出席してもわずかの日当やお菓子だけを貰って帰る所が多いと思いますが責任の問題になると最終的には今の法律で裁判に勝てるかどうかという話になりますので、役所が理事・評議員は責任を負うことはありませんといっても最後は裁判で勝てるかどうかです。
31ページも同じです。理事長の報酬、理事の報酬も基本的には公務員以下にしなさいという考え方です。役所が何を考えているかと申しますと報酬や退職金を公務員以下にしようと考えています。報酬が自分達の課長や部長以上ではいけないという考え方です。平成8年に作ったときに施設長で頑張りますと前の会社の時の報酬を書いて提出したら役所の担当者が私以上はいけないとこれは事実の話です。3億以上寄附して施設長で特養100人、ショートステイ30人、ケアハウス36人、デイサービスもやっているのに前の会社の給料を横すべりしたらアウト。そして、退職金は公務員以下という話です。相手が何を考えているかを読み込まないといけません。役所や国が何を考えているかを読み込まないと役所の言う通りにしていたら最後は潰れます。役所が何を考えているのか、それを考えることが大切です。昨年の全国平均のデイサービスの利益率が他のサービスより少し高いのですぐにデイサービスは介護報酬を下げてくるというのはわかりますよね。そしたらどういう手を打たなければいけないのかを考える。
32ページの上に書いていますが社会福祉法人の経営者のモチベーションは何によって高まるのでしょうか。多額の寄附をして社会福祉法人を作って介護事業を始めようと思う動機は色々あると思いますが、私は自分がこれをしたいと思うことをすることが最もモチベーションが高まります。経営者はこうしたいと思ったことをする。孫正義氏を見ていたら分かります。好きな事をしています。ついていく銀行は大変でしょうが、あれが経営者です。それをさせないようなことをしたらモチベーションが高まらない。経営者のモチベーションが高まらなければ介護の質も何もかも落ちていきます。経営者というのは自分がしたいことをする。そして規模を大きくしていきたくなる。ある一定の規制は私も必要と思っていますが、それをこれに使えあれに使えと法律で縛ったら経営者のモチベーションがあがると思いますか。絶対あがりません。社会福祉法の改正は失敗だと思っています。彼らは経営者ではないから基本のところが分かっていません。厚生労働省の課長や係長は経営者とは違います。一公務員です。それでは駄目です。経営者は好きな事をする、自分がしたいと思う事をする。それが経営者です。社会福祉法の改正についはこれくらいにして、次に人財育成について述べます。
ツリーの絵を開けていただけますか。これはささゆり会のキャリアパス昇格制度です。私が絵を書いて作りました。新しいいろいろな施設を16施設作っていますがコンサルタントは一人も雇っていません。高い何千万円のコンサルタントをなぜ雇う必要がありますか。建物でも設計士にもっと勉強するようにいいます。私の方が経験豊かです。申請書から何から何まで新しいことは全部私がしました。このキャリアパス制度も私が作りました。総合職4級から始めてもらって看護師さんは転職が多いので専門職3級からになります。こういう13段階のキャリアパス制度を作りました。中の内容を見てください。マネジメント、労働基準法、リスクマネジメント、マーケティング、会計。福祉関係の仕事で管理者になる人はこういうものを勉強していきなさいということです。介護技術だけでは経営はできません。経営しようと思ったらここに書いてあることを勉強していかなければなりません。労働基準法は一番大事です。どこかの責任者になったら労働基準法を知っていなければ、発言するときに気をつけなければ例えば「明日から来るな」とは言えませんからね。そんな発言をすると大変な事になりますので早い段階から労働基準法は勉強させています。マーケティングやマネジメント、会計も勉強させます。会計もわからずに管理者にはなれません。収入と支出を責任者は書いて、月に1度運営会議で配布しますから責任者が20人近くなりますが全部集まって運営会議を月に1度します。ここに書いてある収入と支出を全部書いてこさせて全員でどうするかと話をします。あなたの給料はどこからでていますかという話です。金の出所もわからないようでよく働いている、というのが私の考えです。看護師もすべて出席して前年と比較してどうかというのを書かせて会議をします。地域包括と居宅がありますが収支差額の成績がよくないのでずっと下を向いています。デイサービスでも調子がいい事業所があります。その事業所は成績がいいのがわかっているので私と顔を合わせると車を購入したいと言って来ます。自分の事業所の成績がわかるので良かったらあれ買えこれ買えと言い、地域包括や居宅のケアマネは経営実績がよくないので下を向いています。他の施設はわかりませんが、当たり前の話です。責任者に人の採用から車を買ったり備品を買ったりするお金のことまですべて任せていますのでみんなの給料や昇給できるように稼いでくるようにと、その為にマーケティングや営業のことを勉強させています。管理者は、結果責任を問われます。
18ページのQCサークル。QCサークルをすることによって人財育成を行っています。トヨタやグローリーなどがしています。QCサークルは全国規模で50年くらい前から活動しています。それに当法人も参加しています。社会福祉関係のQCサークルではなく一般の民間企業と戦いをする。賞状はたくさん頂きました。兵庫県知事賞も2回頂きました。
27ページ播磨介護技術競技大会。今年10月28日に3回目を迎えました。3年前から播磨介護技術競技大会を企画しまして、サンライフ御立の1階のホールで開催しています。姫路のホテルよりも広くて綺麗です。なぜそんなに広いスペースができるのかといいますとその時は補助金が3分の2ありました。法人の建物を使うので場所代はかかりません。4ブロックに分けて色々他の施設や自施設からも参加して競技大会をする。それまではオールケアジャパンという鳥取県のこうこえんさんがされているのに参加していました。3回ほど最優秀賞を受賞していますが鳥取まで行くのが大変で1泊とまりで行って費用も1万円かかります。うちでは3,000円でお弁当付きの手土産付です。安くしようと、場所代もかかりませんし他の準備物もほとんどいりませんので、あとは感謝状とトロフィーを渡す。収支はどうかと話しますと、今年は、24万円の赤字でした。去年は12万円の赤字でした。これぐらいなら職員の研修費用として多くないと思います。うちの職員も参加して、龍野北高校の高校生のボランティアも入ってもらって開催しました。選手は45名です。あと内部研修や外部研修。外部研修はできるだけ行かせています。昔は海外へも行かせました。外部研修は大阪や東京で開催される国際福祉機器展に毎年行かせています。21年間皆勤賞です。国際福祉機器展に何か新しいいいものはないかと職員と一緒に行きますが東京は運賃が高いので3名か4名しか行かすことができません。大阪は7名から10名くらい新入職員も連れてインテックス大阪へ行きます。
全体会議、これを月に1回1時間半開催します。これはどういう内容かと申しますと研修に行った内容を報告するのと介護の質の数値化を表示しています。オムツ外しがどのくらい出来ているか常食がどれくらい食べられているか入浴の形態別の入浴はいくらしているか褥瘡が何人あるか看取りを何人したかを、姫路の御立とひろみねと土山の各施設がデータを出します。土山と御立は距離がありますからTV会議(ズーム)で繋いで向こうの会議室で見られるようにしています。研修に行った内容を報告・発表して勉強しています。私が見ていいものは褒めるし、報告を3行しか書いていない者には費用がいくらかかっているのかわかっているのかと話し研修費、交通費、日当がかかっているのに3行では行かなくても書けると話しをします。感想も必ずかかせます。本を作る時でも職員みんなでこの本「GOOD CARE」を書きましたが1ヵ月で書いてしまいました。普段から感想文をかかせていますし、私が文句をつけますので書くのが早いです。そういう風に勉強させて書く訓練をさせていくのは大切です。全体会議を1時間半全員出席で行い、パートはパート会議を20分から30分します。介護の数値化のデータを説明したり、就業規則の改正点を説明したりしています。それと1年に1回全職員(パート職員も含む)テストがあります。基本理念、サービス十か条、感染症のテストを私も受けます。感染症からセクハラまで入って100問出題します。資料は前もって渡しています。社員とパートも入れて上から10人は3,000円の商品券。パートは免除していますが、職員が50点以下の者は私の横で追試があります。私以下の点数のものは全員追試にしようかと話しをしたら反対されました。1年に1度テストをするのは職員として知っておかなければいけないことだからです。施設の基本理念やサービス十か条や感染症、虐待、身体拘束のテストは大切なことです。
介護の質についてということで41ページを聞いて頂けますか。介護の質というのはデータで7割がでるというのが私の考えです。あとの3割は出ません。常食が何パーセントとか日常のオムツ外しの人数とか看取りの年間人数とか介護の70%は数値化ができるのではないでしょうか。一つは目標を定め期限を定めてトライする。残業はしないように言っています。残業をするなら残業の理由を書いてくるように言い運営会議で出させます。仕事は8時間におさめるようにそれを9時間や10時間かけていては、夫婦二人正社員で子供がいて働いていけません。だから残業は禁止という考えで行っています。やろうと思えばできます。私が帰るのは18時1分です。私が早く帰らなければ誰も帰れません。朝も9時に入ります。1時間半前に喫茶店に入って本を読んだり色々仕事をしてから9時に入りますので鍵は持っていません。8時間で出来ないことはありません。するという意志があるかどうかです。働き方改革と言って、女性の管理職を3割にすると言っていますがうちは7割が女性管理職です。残業はしない、女性が働き易い職場にするということを10年以上前より考えています。結婚して子供ができてもほとんど辞める人はいません。なぜかといいますと保育料を2分の1補助して夜勤をなしにしたりとあの手この手です。特養だけではできませんがデイサービスがあるので出来ます。週30時間にして保育料を2分の1小学校へ行くまで補助して、時間の中で全部終らせるという風に考えます。42ページにそのことをワークライフバランスについて書いています。今から10年以上前に始めています。
福利厚生をこれだけしていると記載していますがなかなか人が来てくれません。今年は確定拠出年金を取り入れました。7月より毎月8,000円本人の口座にお金が入ります。18万円の人で8,000円。それ以上の人は37,000円か38,000円まで段階があります。これと同じ金額を自分で拠出して60歳になったらもらえるというシステムです。自分がかけた分については税金(所得税、住民税)も安くなります。今年新しくしたのは確定拠出年金、職員全員が入らないといけません。法人が8,000円掛ける、そして本人は同額を掛けてもいいし掛けなくてもいい、かける場合は法人が出資した金額まで掛けられます。法人が1万5千円掛けたら本人も1万5千円まで掛けることができるので合計3万円。これを8,000円からスタートしてこの表を見て頂くとわかりますが、これで37年働けば1,300万円くらい貰えるようになっています。自分も同じだけ掛ければ倍額貰えるようになります。今まで職員の退職金を法人で貯めていたお金を確定拠出年金に移行しようとしたら反対する職員がいました。魚崎の施設長が一番に反対しました。人間の心理をわかっていないから反対するのです。途中で辞めた人がその場で退職金を欲しいと私も県社協の退職金に入っていて辞めたときに100万円ほど貰いましたがどこへいったか分かりません。若い時のお金はわかりません、同じお金でも60歳になったら価値が分かります。若い時はほとんどの人は車を買ったりしてどこへいったかわかりませんが60歳になったらお金が貰えるというのがいい。同じ金額を拠出すると1,300万円の倍の2,600万円貰えます。金利なしでこの金額ですよ。職員にアンケートをとったらほとんど賛成でした。若い人は老後の年金が心配なんです。もらえないか減らされるか退職金がないかと心配しています。確定拠出年金はあなたの通帳に入りますという話をします。法人が潰れても退職金がなくなることはありません。60歳にもらえるのもいいし税金も安くなります。古くからの職員は福祉医療機構の退職金制度に入っていますが今は福祉医療機構の退職金制度に入っていません。なぜかといいますと1年~2年で辞める人が多かったり、今は掛け金が年間13万4千円と全額掛けなければなりません。私が福祉医療機構に入ったときは3分の1の掛金でした。3分の1の掛金の人だけ残して残りはすべて福祉医療機構の退職金を辞めて積み立てていましたが今回その人達だけ確定拠出年金に移行しました。福利厚生については処遇改善交付金を5月に給料と別に出しています。以前は12月と5月に出していましたが12月に出したら辞める人が多いので5月に1回にしました。2回もらったら5万円でも1回にすると10万円貰ったと思うでしょう。給料も最初は年収300万くらいですかね。それから10年たったら400万くらいになるようにしています。姫路では高いほうではないかと思います。それでもなかなか来てくれないという状況です。
地域貢献については4ページ目を開いて頂けますか。今現在建設中のサンライフ西庄は、特養とショートステイとグループホームですがここの1階の南側に面した所で子ども食堂をしようかと考えています。子どもの貧困が社会問題になっていますが、それらの子どもを対象に食事を提供する。その子ども食堂で食事したり勉強したりしていろんなことを考えています。地域の民生委員や自治会の集まりにも使って頂いたりしてそしてこの場所と、TV会議のズームで繋いで全体会議に使ったりしようと考えています。子ども食堂は上手く行っているところや行っていないところがあるのでこれから見学して勉強して行きたいと考えています。どこまで上手くいくか分かりませんが子ども食堂は厨房を1階に持って来ているので横移動で食事が出来ると考えています。サンライフ御立祭りや敬老会、クリスマス会を開催しています。納涼祭、ふれあい祭りは播磨介護技術競技大会をしましたので辞めました。御立まつりには、地域から400、500人くらい子供さんや大勢の方に来てもらっています。御立祭りや敬老会は地元の民生委員や自治会長さん老人会の方を100名招待して食事会をしています。敬老会では3段重を厨房で作って100名招待しています。クリスマス会は職員の出し物のあとボランティアさんの慰労会として食事会をしています。セコムの無料貸し出しやデイサービスでは100歳いきいき体操に場所を貸したりしています。
専門学校や高校、看護学校等8校より毎年30名の実習生の受け入れをしています。すごい数を受け入れしていますが入社してくれません。サンライフ御立オープンから20年間毎年受け入れをしていますがなかなか来てくれません。地域貢献活動の一つとしてワンストップサービスを今度姫路駅周辺で行いたいと考えています。保育、介護、障害を姫路の駅前に来年の4月くらいにオープンしたいと考えていますがこれはまだ検討中です。場所も見つけなければいけないし人も見つけなければなりません。職員は介護の事しか分かりませんので保育や障害の専門知識のある人を見つけたいと考えています。これも上手く行くかどうか分かりませんがやって行きたいと考えています。その他と致しましては、本の出版です。4ページにありますが今まで3冊出していますが右側の分は私だけが執筆していますが左側の2冊「GOOD CARE」「福祉施設経営革新」は職員約30名が書いています。本を数年毎に出版したいと考えています。5ページ目は子ども食堂、19から22は人手不足とモチベーションについて書いています。
ベトナムからEPAで現在13名受け入れています。これから毎年何名かづつ受け入れたいと考えていますがEPAだけで上手くいくかということで技能実習生を受け入れる協同組合を作りたいと10法人くらいの社会福祉法人が集まればやろうかなと考えています。人を受け入れるということについて多数の会社から募集があると思いますがうちは知っている法人が集まって作ります。ベトナムに長く住んでいた方を採用してその人を中心になってもらって2,3人の職員を採用して自分のところで受け入れをします。受け入れ金額をどれくらい安くするか、すごく高い金額になりますので儲けるのではなく自分達の所でやって人を育てて行きたい。変な人がいたら困りますので厚生労働省は厳しいので協同組合がつぶれてしまいます。今は技能実習生の組合を作ることに関心があります。
23ページの所は人員不足による管理者がしなければいけないことを書いてホームページに載せています。29ページは、日本人は心配症ということでリスクをとらない人が多いということを書きました。時間があれば読んで下さい。34ページは日銀のマイナス金利の時のことで建物を建てるときは固定金利で借りなさいという記事です。結婚したらすぐに家を買う人がいます。子供が小学校高学年になってから買いなさいと言ってきました。なぜかと申しますと不動産屋やマンションの業者や建売業者にだまされます。賃借料だけで一戸建てが買えますといいますが実際は買えません。固定資産税や登記料や生命保険や火災保険も掛けないといけません。その上、電気代や水道代が一戸建ては高くなります。それをいくら言っても職員はわかりません。しかし現在は、マイナス金利なので長期の固定金利で買うのがいいというアドバイスです。お金についてのアドバイスは職員よりも私の方が経験豊富だからです。だから確定拠出年金でも銀行から銀行預金からこっちの投資信託に変えたほうがいいとい言われますが手数料やその他すべてが高いのでしてはいけないと、するなら私の面接を受けてからにしなさいと言っています。40年前から為替に関係した仕事をしていますので本当です。銀行や証券会社にだまされます。だから私の面接を受けてから、こういう考え方でこういう本を読んできましたと言えば許可をだす。しかし勉強もしないのに私の許可なしにするなと言っています。
35ページが社会福祉法人経営者に求められる資質ということで平成27年の11月にANAクラウンプラザのシンポジウムで発表した内容です。40ページは働く女性の介護ということでお父さんお母さんを上手に使いなさいと言う内容です。時間を上手に使わなければ夫婦二人正職員で子育てできませんよという内容を書きました。あなたのお父さんお母さんを上手に動かして子育てしワークライフバランスを考える。
43ページはケアマネ合格者と来年の新入職員との昼食会を毎年12月の終わりにしています。ケアマネの試験は10年位前からオリジナルテキストを作って改定しながら職員に無料で配っています。そして毎週問題を出題してそういうやり方で行っています。最近ケアマネの試験も難しくなって昨年は15%、今年の問題は易しかったけれど昨年は5人しか合格しませんでした。以前は7、8人合格していました。最近はなかなか合格しませんがケアマネのテキストを作ってサポートしています。以前は1月からスタートしていましたが間に合わないので11月からスタートしています。1年間のスケジュール表を渡してそしてケアマネのオリジナルテキストを渡して行っていますが職員がなかなか勉強しません。私がケアマネを取得してから後に職員が通らなかった年に私と一緒にもう一度勉強しようと月曜日の朝30分早く御立にきてどちらが点数とれるか問題をやるのですが私の方が成績がいつもいい。私の半分もとれない。どれだけ勉強していくかが大事なのではないかと思います。
組織について他にも色々書いていますが日本の将来についても書いていますのでまた見て下さい。48ページ福山市の老人福祉施設協議会の方が来られたときの資料です。10年以上前ですが考え方の基本は変わっていません。54ページの平成18年11月のサンライフということで書いていますが、平成18年からホームページに掲載している内容は一切変更していませんので考え方は変わっていないと思っています。53ページには変化に対応できないものは国家でも潰れるということでアメリカのGMが潰れた話をいれています。昔、ソ連に行きました。そのソ連という国家でも潰れますので要するに硬直化した組織は潰れていく。変化に対応するしか方法はない。介護業界でも同じで業界が変わっていないと思っていても変わっているのでその対応をどうするかというのが大事なのではないかと思っています。
月次報告書を見てください。前年度実績、今年度予想、今年度実績。こういうのを書いていきます。4月から書きます。事業計画の時に何年度収入、行事関係、研修関係、実習生の受け入れ、書類関係、どんな書類をだしたか今月改善した事、力を入れた事、反省点をここに書く。来月改善する事、力を入れる事を書く。その次は、事故の内容。苦情があれば苦情の内容。相談があれば相談内容。これをやってその後に事業別収支計算書を管理者に書いてくるように、職員の手当てもすべて入れます。職員の手当ても抜いていたら分からないので。次のページは営業訪問記録。デイサービスが頑張らないといけないので営業に行って来るようにと。座って待っているだけでお客さんが来ますか。各居宅へ行ってケアマネと話しをしてくるように。ここの居宅は利用者を回してくれなければ印をつけて、もう行かなくてもよい。系列の所にしか回さない様な地域包括や居宅は行かなくてもよいということで訪問をしなさいと。前年度との比較をして毎月特養、ショートステイ、デイサービス、ケアハウス、ヘルパーステーション、地域包括、居宅と実績を出して収入が分かり支出も分かるようになっています。差額もわかるので毎月いくら残ったかが分かる。右側には処遇改善交付金がいくらあるかそれから去年の収支の比較の内容がでてその下に特別な支出。例えば空調を全部新しくするのは特別なことなので別にしておく。そうすると毎年同じような内容の中でどれだけ頑張ったか頑張っていないかが分かります。空調は20年に一度位買えますので別にしておいて、これで毎月開催しています。半年たったら半年分の反省をします。これで成績のいいところはよいのですが成績の悪い所の責任者は下を向いています。しかたがありませんがどこが悪いのかを検討していく。
最後に決算書についてお話をさせて頂きます。決算書の見方というのをみて頂けますか。これは私が2,3日前に書きましたが、私は会計を学んだ事もなければ会計のプロでもありません。会計のやさしい本を読んだだけです。ここで一番最初に書いてある貸借対照表についての話しです。この資料は、私のオリジナルなので税理士の先生や会計のプロが見たら笑ったり、間違えていると言うかもしれませんが私の考え方を書いています。貸借対照表は法人の設立時から現在までの法人のすべての内容が現れています。貸借対照表は、資産の部と負債の部と純資産の部の3つに分かれています。資産の部の合計と負債の部と純資産の合計が左右一致していなければいけない。英語でB/Sバランスシートというのは左右一致しているからです。資産の部で大切なのは流動資産。流動資産といえば決算書の2ページ目を見て下さい。流動資産とは現金、預金、定期預金を言います。それと固定資産の中にある現金。土地と建物と設備だけではありません。投資有価証券、退職慰労引当金とか長期預金とか人材育成費、修繕費、備品、施設整備費、管理費、施設振興積立金、長期前払費用、退職金積立試算これが現金にはいっています。流動資産+固定資産の中の現金を足した金額から流動負債、その次に固定負債これを両方足したものの合計がでていますね。それを引いたものが大事です。((流動資産+固定資産の中にある現金)-(流動負債+固定負債))=法人の力、何を言いたいのかと申しますと土地や建物は価値がありませんということです。左の現金から右の負債を引いたのが法人の力。経営者の私が考える考え方です。税理士の先生とは違います。現金はいくらあるかというのが大事です。現金がないと昇給や福利厚生を行うことや新しい設備を買えないからです。現金が無いところは給料もあがりません。中には土地が大事だと言う人がいます。東京のど真ん中であれば土地は大事ですが阿南市はどうですか。私は、たつの市の新宮町という所から職場に通っていましたがそこでは土地も家もただです。誰も買ってくれないし借りてくれないから家をそのまま残して姫路に引越ししてきました。固定資産税はとられるし庭の掃除はしてもらわないとだめなので大変です。阿南市はどうかわかりませんが、たつの市の新宮町の土地はただです。社会福祉法人の土地も建物も売却できません。基本的に最終の最終にしかできませんのでただと考えて下さい。そうすると現金から一年間に払わないといけない負債を流動負債、それ以外の長期借入は固定負債のところにありますから負債を返さないといけませんからこれを引いた現金が法人の力になることを覚えておいて下さい。
2番目は、資金収支計算書キャッシュフローはお金の流れです。お金がどういう風に流れたかを書いています。今現金があるかどうか何にお金を投資したか、土地の売却によって収入があったかどうか銀行からお金を借りたかなどが全部ここにでています。事業活動によっていくらお金が残ったかどうかというのが大事です。法人の決算書では例えば資金収支のところに事業活動収入22億4234万7300円から決算Bの事業活動支出18億8854万7026円をひいて3億5380万274円が現金として残りましたということです。これが資金収支お金の流れをあらわしています。3番目に事業活動計算書、7ページ目を開けていただけますか。これが一年間における減価償却費を引いたサービス活動増減差額、一般企業の経常利益率がいくらであるかを見ます。黒字の施設で平成27年度は7.2%。サービス活動増減差額、8ページ目の(3)3億759万3046円。これを事業活動収入の計で割ればいくらになるか、建物というのは出来たところからだんだん目減りしていきますから減価償却を引いた残りのお金になります。全国の黒字施設が7.2%。公私混同したり管理職がたくさんいると残りません。うちは管理職がいません。私がすべて一人でします。関西では納入商品を値切ります。納入業者に競争させます。うちの紙おむつは兵庫県下で一番安いと思います。そのかわり私は納入業者にコーヒー1杯もご馳走になったことはありません。そうしますとこれだけの収益がうまれてきます。毎年の積み重ねです。それができなければ経営はできません。経営しようと思えば職員の人員が少なければサービスが落ちるからだめですが管理職をできるだけ減らす。全職員が働いて、公私混同しなければお金は残ります。人件費率をみますと65.8%です。事業費は15.9%、ささゆり会で11.5%。4%くらいの差は値切っているかどうかです。それしかありません。納入業者を競争させて値切っていくしかありません。事業費の中は給食費や介護用品や医薬品です。次は事務費ですが黒字施設で10.6%、ささゆり会は8.0%うちは研修によく行かせていますがこの数字です。
職員の給料はあげようと思えばいくらでもあげられます。だけど仕事をしないのに給料をあげるとよくないのでしません。人間を駄目にするのは、働かないのにお金をやることです。内容をオープンにして参考になるかどうかわかりませんが、決算書の見方ということで会計のプロではないので実際は分かりませんがこういう決算書の見方をすれば自施設の法人の力がわかります。これからどうなっていくのかがわかります。20年先は今よりももっと大変な時代になり良いことは一つもないと思いますが最後に最近読んだ本「行動経済学の逆襲」という今年のノーベル経済学賞のリチャード・セイラー氏が書いた本の内容について私の説明をします。確定拠出年金で7割くらいがマッチング(自分も同じ金額を出金して積み立てる)をしていますが、3割の人はしていない。マッチングをした人に出す文章とマッチングをしていない人に出す文章ですが、どこが違うのか。最後の文を見てください。「ほとんど全ての職員が拠出しています。あなたも拠出して下さい。」こういう書き方をすると拠出します。月に一度の面会に来ない家族がいますので、あなただけ来ませんという書き方を私は現在しています。行動経済学は心理学プラス経済学これを理解してもらって文章一つ書くのも考えていくことが大事だと思います。
ご清聴ありがとうございました。
(質疑応答)
それでは次に質疑応答に移りたいと思います。
質問)収支全体の中で居宅は収支がでませんよね。でないところは居宅がなければデイサービスの利用が拡大しないという所で、相互作用で居宅業務をしている所がありますでしょうか。
回答)その通りです。居宅は利益がでません。しかし一人何件までもてますかとこういう話です。35件もてるでしょう。それをちゃんとしていますかと言う事です。居宅や地域包括は決算書提出のときに報告する内容に詳しく書かせます。モチベーションがないといけません。モチベーションがなかなかあがりませんので何をどれだけしたか、いいプランを作ったか、地域包括で虐待等の対応をしたかというのは評価しなければいけません。地域の自治会長さんに聞いてみるのもいいですね。収入支出は頑張っても無理です。おっしゃる通りです。
質問)デイサービスや居宅へ営業訪問と言う話がありましたが、デイサービスへの紹介の件数を増やすとか稼働率に影響する他の取り組みはありますでしょうか。
回答)今デイサービスでアプリを作っています。これを連絡帳がわりに使用しようと思っています。アプリで時間を節約できます。デイサービスは訪問ができると思いますので来て欲しいところにポスティングをしたり、今までのデイサービスと違い広告やポスティングやアプリを作ったりと色々していかなければと思っています。
質問)研修を受けさすと時間がなくなったりしますが、研修を受けさせるときの費用や時間はどういう扱いにされていますか。
回答)研修は仕事の中に入っています。研修を休みの時に行くということはさせていません。往復の交通費と研修費用、研修時間はすべて施設負担です。仕事をしている8時間の中でやっています。月170時間位でその中で内部研修も全体会議も運営会議もすべてその中でやっています。例えば午後14時から新入職員の勉強会を稲盛和夫氏の「考え方」を使ってしています。月に2回ほど4月からはじめて10月頃で終わりますが、14時頃が一番時間に余裕があるので行っています。どの部署も14時から15時半頃が一番余裕があるのでその時間にしています。毎年3月にキャリアパスの試験があります。私が全部問題を作りました。試験の点数と面接と普段の評価で昇格するかどうかを決めます。大変ですがだらだらした仕事はなしで行っています。
質問)先生のモチベーションを教えてください。
回答)考え方として孫正義と一緒で私は自分がやりたい事をする。21年前に施設を作ってから毎年1施設ずつ作ってきましたが職員も理事会も家内もみんな反対しました。一つだけ作ればそれでいいと。私はそのアゲインストの中頑張ってきました。みんなを幸せにするのはこれしかないと、今しんどくても将来がよければ頑張れる。今楽しようという気持ちがあればだめです。10年先20年先幸せになろうということでみんなの反対を押し切ってやってきました。最近どっちが正しかったか21年前から一緒の職員にどちらが正しかったということを聞きます。みんなを幸せにする為にはどういうシステムがいいかを考える。だからあんまり儲からないものはしません。国は儲かるものも儲からないものもどちらもしてほしいと考えますが、利用者さんが使いたいと思うものそれが収益として残るものしかしません。そうでないとみんなが幸せになれません。国は最後まで保障してくれません。潰れても民事再生法がかかれば同じです。自分の法人は自分と職員とで守っていかなければならないので残ったお金をぐちゃぐちゃ言ってほしくありません。同じ法人の職員がみんな幸せになろうというのが私の考え方です。将来幸せになっていくために20年間毎年昇給をしてきました。私の思いとしてはみんなで幸せになっていこう地域一番になろうという思いでやってきました。これからどうするか悩みます。今回の社会福祉法の改正で私のモチベーションが下がってしまいます。
質問)株式会社と社会福祉法人を同時にするということで考え方はどういうものでしょうか。
回答)株式会社は特養ができませんので、グループホームと有料を進めてきました。姫路市さんにも嫌われていますので認可をなかなかもらえません。グループホームは、法律ができたときは、3ユニットすることができ3ユニットをしました。それは姫路市の認可が始まる前に作りました。株式会社の方はグループホームと有料、特養とデイサービスは社会福祉法人の方でしようというわけ方をしています。社会福祉法人はどこまでいっても国のものなので株式会社は税金を4割払わないといけませんが残りは自由です。役所も株式会社ですることは何も言いません、書類も多く必要ありません。株式会社は一人しか事務員がいません、何にお金を使おうと自由です。
質問)保育や障害という総合事業に取り組んでいこうという姿勢、行政サービスについてどう考えておられますか。
回答)詳しくは勉強していませんが基本的な考え方としましては、それをすることによってみんなが幸せになれるかどうかの話しです。これだけ給料や福利厚生を整えても人が来てくれません。6年~7年前の某放送局の放送からです。放送局に抗議にいかなければいけません。介護のいい所はたくさんあります。潰れないし家の近くで働けるし転勤もありません。夫婦2人で働けるしやりがいもあるしこれを言わずに3Kや4Kや結婚もできないと言うだけでは人が来てくれません。介護の専門学校や高校をでたら介護職になるとこのようになれる。これからはAIが主流になって事務職で計算もできない人は必要ありません、介護職は20年先も必要とされます。人が足りない足りないと言っています。総合事業をするのも人が必要です。
電車の時間が迫ってきましたので、これで終りとさせて頂きます。
本日は、ありがとうございました。