超高齢社会をどう乗り切るか

平成30年度 社会福祉経営セミナー

基調報告「超高齢社会をどう乗り切るか」

報告者 NPO法人福祉サービス経営調査会顧問 塚口 伍喜夫

鼎談「超高齢社会へ福祉・介護関係者はどう対応するか」

鼎談者 井岡 勉 同志社大学名誉教授

井岡先生には、コーディネーター、コメンテーターを兼ねて頂きたいと思います。

辻村禎彰 社会福祉法人宇治明星園理事長

笹山周作 NPO法人福祉サービス経営調査会理事長

会 場 兵庫県民会館(パルテホール)
神戸市中央区下山手通4丁目16番3号
TEL:078-321-2131

開催日 平成30年7月12日(木)

時 間  午前10時30分~午後4時10分

主 催  NPO法人福祉サービス経営調査会
姫路市福沢町115
TEL:079-291-6502
FAX:079-291-6501


皆様おはようございます。

このたびN.P.O法人福祉サービス経営調査会の顧問並びにささゆり会の塚口 伍喜夫理事長の基調報告を勉強させて頂き、その後同志社大学名誉教授 井岡 勉先生、社会福祉法人宇治明星(みょうじょう)園(えん) 理事長 辻村 禎彰(よしあき)先生をお招きして鼎談(ていだん)を行うことができるのも皆様のご協力、ご支援の賜物と深く感謝しております。

今日の基調報告の内容は、「超高齢社会をどう乗り切るか」ということと後半は鼎談(ていだん)として「超高齢社会へ福祉、介護関係者はどう対応するか」というテーマで行います。

今日はN.P.O法人福祉サービス経営調査会の主催ということなので忌憚(きたん)のない報告や意見が聞けると思いますので、皆様もこれを参考にして仕事やこれからの人生に役立てて頂ければ幸いと存じます。

さて高齢社会について私の心配していることは2つあります。1つは、今現在、男性の平均寿命80才、女性の平均寿命87才となっていますが、これから5年~10年経過しますと男性88才、女性95才になります。なぜ大きく平均寿命が延びるかと申しますと、1つは免疫療法という新しいがん治療の方法と薬が出てきました。世界が競って薬の開発を進めていますのでなかなか人は死にません。もう1つはガンの早期発見がここ2~3年で血液又は尿から早期がんが分かります。がんの早期発見は100%治ります。そうしますと会社を60才で定年退職したとしますと約30年間どのように過ごしていけばよいか。その過す費用はどこから得てくるかという問題が生じます。

そして次に介護における人手不足の問題です。今現在も介護業界は人手不足で新しい施設をつくることはできなく、施設を建設してもフロアーを全部オープンしていくことが出来ない状況です。この人手不足の問題はこれから20年以上続きます。この2点が私としてはこれからの大きな問題になってくるのは間違いないと思いますので、この後の基調報告、鼎談(ていだん)で出てくると思います。

最後に私の見解として、この25年あまり日本が成長発展している実感は一切なかったと思います。他のアジアの国々の発展は素晴らしいものがあります。今から30年前にタイのバンコクへよく行きました。その時のバンコク市街と5~6年前に行ったバンコク市街とは全く違ったものでした。中国においても全く同じ状況です。何も物質的な面だけではなく、精神的な面においてもこの20年間日本人全体が幸になったという実感はありません。この25年間、日本は何をしていたのでしょうか。将来を心配する若者ばかりが大変増え、リスクを取らない者が増え、夢のない事ばかりです。日本をどのようにするかの将来像のない施策ばかりでは、若者に希望が生まれません。目先の利益や損得にのみこだわり、将来の希望のない施策では閉塞感のみが生まれます。ぜひ政府には国民がびっくり驚くような将来像を示して、将来国民が幸になる施策を実行して頂きたいと考えます。

平成30年7月12日
NPO法人福祉サービス経営調査会
理事長  笹山 周作