ロシアのウクライナ侵攻について

私は今から約40年前に、ソビエト連邦(現ロシア)へ、仕事で真冬の1月に行きました。当時社会主義国家であったソ連は、ホテルの予約は日本で全て予約しなければならず、そしてそれは、外国人のみが泊まるホテルでした。タクシーは、ホテルで予約をしてぼろぼろのタクシーで下から風が入ってきて寒く、買物はドルショップという所があって外貨のみしか通用しない所でした。ホテルでの食事は、2時間はかかりました。それは、なかなか注文しても注文した食べ物が出てくるのに1時間以上かかりましたので、このような非効率の社会であったのを覚えています。そして軍事のみにお金をつぎ込んで、国民はとても貧しかったのを覚えています。日本円とルーブルの交換レートは、1ルーブル500円でした。ドルよりもはるかに高かったことを覚えています。今は1ルーブル約2円です。当時と比べても250分の1の価値しかありません。当時のことは、別にして、なぜ今ウクライナに侵攻したかについてです。ソビエト崩壊(1991年12月)後にロシアの周りに新しく独立国(15ヶ国)ができその独立国の一部がNATOに加盟したことです。これによってロシアとしては、NATO諸国が勢力を拡大して攻めてくるのではと思いNATOに加盟していないウクライナに攻め入ったということです。そういう考え方と、専制国家であるロシアのプーチン独裁者が領土拡大のためにウクライナの領土を奪いに行ったということ、この2つが考えられます。このことを北東アジアに置きかえれば、中国と台湾との関係とほとんど同じことが言えます。中国は必ず数年後か数十年後に台湾に攻め入ります。

これは、最近私が読んだ「大国政治の悲劇」ジョン・J・ミアシェイマー著五月書房新社刊にこのことが記載されています。地域覇権を成し遂げるために必ず中国は台湾や東南アジア諸国に軍事力を行使するとのことです。(過去の地域覇権の歴史が書いてあります。)

日本も今後どのように防衛するかという課題が一層高まってまいりました。今回ロシアがウクライナに攻め入ることによって得をするということが絶対あってはいけません。なぜならそれは、中国が台湾に攻め入るのを早めるだけですから。

2022年4月2日
笹山 周作