今回の社会福祉法の改正について、私の意見を述べたいと思います。その前に、日本で初めて介護保険法が成立した1997年の時点での介護保険法の基本的な考え方について少し言及したいと思います。
介護保険法成立時の介護保険法は、在宅中心主義を掲げました。なぜ在宅中心主義を掲げたかと言いますと、私の推測ですが、スウェーデン、デンマークを参考にしたからです。この時に最大の誤りがあったと思います。なぜなら、日本の家庭はどこの家庭も既に核家族が進んでいて都市に人口が集中していました。介護において、最も重視すべきことは重度の認知症の人や要介護度 3.4.5 の重度の人をどうするかをよく考えることではなかったかと思います。